耳と尻尾の狭間にて

これまでに書いてきたついのべ(ツイッター小説のこと)を、一冊の同人誌としてまとめました。
140文字の連なりが織りなすついのべの楽しさを感じていただけるよう、自由でやわらかい
雰囲気で編集しました。斬新でオリジナリティあふれる作品をぜひお気軽にお楽しみください。

ツイッターのハッシュタグ「 #twnovel 」をご覧いただければ、そこで日夜活発に行われている
ついのべという創作を最もシンプルにご堪能いただけると思います。数多の創作家が参加して、
それぞれの特徴ある世界観を表現する、非常に柔軟で躍動感のあるすばらしい界隈です。僕の
作品はどちらかといえば小説というよりも、叙情詩的な、自らの思いの丈を力強く吐き出した
ような、詩歌に近い魅力をお楽しみいただける内容です。さながら犬が吠えているかのごとく。

耳と尻尾の狭間にて。そこで日々思いついたことを自由自在についのべとして書き綴るという
わけです。たったの140文字ずつがひとつの単位であるからこそ成しえるリアルタイムさが
あります。どんなに短編といっても通常の小説ではこうはいきません。そう考えると古来から
続く短歌や俳句といった表現と、随筆やエッセイといった現代的な表現の長所をいいとこ取り
したようなものかもしれませんね。この作品を読んでいいなと思ったらぜひあなたもついのべ
にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。そんな、新しい出会いの一助ともなれば幸いです。

かわいらしい猫の顔の表紙は、ツイッターで大人気のアルファツイッタラー、わさらーさんに
描いていただきました。非常に魅力的でこの作品らしい楽しい雰囲気に仕上がったと思います!

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 貨幣経済の終焉、万歳。そんな日が来ることを切に願っています。世界の皆が窓を開けて、ありったけの金とレシートを投げ捨てる夢を見ました。空に、大地に、お金の雨が降る。でももう誰もそんなものを顧みないんだ。だって今日からお金を処分するにはお金以外のものを要求されるから。

 今日も鶏卵検査局の一日が始まる。生きた卵を十分な量の飽和絶望水溶液に浸し、変色を確認後破棄するだけの簡単なお仕事。安月給でも公務員だからね。ある日、規定どおり確認してもびくともしない卵が現れたんで大変さ。何でもありゃ不死鳥の卵だとか。卵焼きにならなくてよかったよ。

 今まで歩いたことのない道。戻ってこれないかと思うくらい引き寄せられた。こんなところにこんな店が。一年間暮らした街のほんのすぐ裏手に、出会うこともない無数の人が暮らしている不思議。ふいに長旅でもしたくなってくる。そんな小さくて大きな驚きとともに眠ろう。お休みなさい。

 富かな者、貧しい者、健康な者、病める者。狂信者。無神論者。メシアにサタン。野心家に謙虚な者。皆それぞれ少しずつ異なる言葉を話すが、そのすべてが「この世」を構成する億万の光り輝く点には、違いない。宇宙の外で1枚のディスプレイを暇つぶしに眺めながら、神である僕は笑う。

 結ぶことも、解くことも、縛ることも切ることもできる。養われることもくくることもある。どこまで緩めるか常に迷う。大宇宙の難解な物理法則すら解明する。そういや自分もそこから生まれたんだっけ。つまりは「紐」が左右するわけだ。こいつが心もとないとろくに歩くこともできない。

 自販機がこれほど世界を変えるとは、誰が想像しただろうか。古代のバナナ自販機のあの発想がすべてだった。子猫も、彼女も、婚約者も。天職も、信念も、絶対の幸福も。投入口にコインを入れれば、すぐさま、がらりと転がり出てくるのだ。そして今、僕は苦悩の自販機にコインを入れる。

 今起きたなう。銀河の果てで誰かがつぶやいている。意識の片隅で。人類の叡智が実現した脳直結型twitter。大発明に喝采の嵐。だが討伐すべき闇はまだ近くにある。悲観主義者の僕には分かっていたこと。おはよう。よい一日を。そうレスしてから僕は銃を取り眼前の死地へと赴く。

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